烏に単は似合わない

図書館の新刊案内に貼られていた表紙を見て
「キレーな絵だなぁ」がこの本との最初の出会い。


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『烏に単は似合わない』
紹介文を読み、
若君さまのお后候補の4人の娘さんのお話かぁ。
権力争いとか、足のひっぱりあいとかそういうのかしら。
なんて、今まで見てきた話しのような気分で借りてみた。

八咫烏が支配する世界で始まった若君の后選び。
春殿には東家の『あさぎ』、夏殿には南家の『浜木綿(はまゆう)』
秋殿には西家の『真赭の薄(ますほのすすき)』、冬殿には北家の『白珠(しらたま)』
大貴族四家から集められた四人の娘たちは
陰謀や恋心を胸に美貌と才気を競い合う。

姉・双葉の代役として急きょ登殿することになった東家のあさぎ。
お后教育を受けていない彼女は早速お嬢様たちとの違いの差を見せつけられる。
女子の世界特有の洗礼を受けるのだ。
あさぎの救いは若君の妹である内親王・藤波。
藤波の羽母(うば。烏の世界なので卵で生まれる)が
あさぎの母であったことから子供の頃から仲良しであったこと。

現在の正室が南家の出身。
若君の母は側室だか西家の出身。時期後継者の母の出身家として西家も力をつけている。

南家vs西家に東家、北家が付随しているように見えた争いは
徐々に形成を変えてくる・・・

文章も読みやすく、物語の世界も烏に変身できる者たちが住む世界とあって
想像する風景も鮮やか。

しかし、読み進むうちに『よくある話』だと思っていた私の想像は見事に打ち砕かれた。
序章に書かれた風景にすっかりだまされた。
話は最後まで聞きなさい!と母に言われているような気分。

途中から勝手に決めつけていた話の流れをことごとく崩され、
えっ?どうなるの?から、あぁ。。こうなるんだぁ。。
で終わった。

感心と予想外の展開に対する自分の想像の甘さが残った。
とっても面白い本だった。
最後にキレーに片付いた気分にならないところがまた良い。

最年少で松本清張賞を受賞した作品と言うだけのことはある!
表紙の見た目から入った私は、すっかり本の中身も見た目に騙されたようだ。

『悪気がなければ許されることをわかっている女が一番タチが悪い』が、率直な感想。
あぁ。。こういう女って怖いよねぇ~
見た目は甘いから騙されるんだよ。。。

烏に単は似合わない。
このタイトルも最後まで読んで納得。
確かに、烏には豪華な衣装は似合わない。
必要なのは共に歩もうとする気持ち。

若君が最後に選んだのは誰なのか?
誰にもばれてない、見られていない、だから何をしても大丈夫と思っていると
大事な人に見破れていますよ、そんなお話。
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by sakurasaku050505 | 2012-09-10 18:00 |